音のテーマについて(3)
第三のテーマは、"強い音"です。決して大きな音でもやかましい音でもありません。原音、自然音の持つ"強さ"を範としていかに、そこに演奏者がいるがごとく佇まわさせ、躍動感と美しさを表現させようというものです。新旧のステレオ、モノラルのソースからあますところなくその魅力を引き出そうというものです。周波数特性とか歪率とかカタログ・データなどは、二の次とします。このためにスピーカーには、名器とされるウエスタン・エレクトリックのWE555、コンプレッション・ドライバーを使用します。このドライバーによきも悪しきもすべてを委ね、このドライバーに歌いまくってもらおうというものです。もともとWE555というドライバーは、映画館などのPA用として開発されています。そのため低音、高音の追加もすべてホーンで構成します。このドライバーについては、多くの物語やら逸話がたくさんあり、ウェブサイトでもよく見かけられます。WE555は、名器として非常に多くの本数が生産され、日本でもたいへんな人気で、生産本数の半分程度が日本にあるそうで、その本数は1万本内外と言われています。私見ではありますが、私の聴いた範囲では第四のテーマで登場する594A型コンプレッション・ドライバーに比べると情報量は、決して多くありません。しかしながら、音楽を人の声をこれほどまでにリアルに魅力的に聴かせるものはなく、その意味では楽器に位置づけられるような性格を持っています。魅了という言葉はこのドライバーのためにある言葉と言えるのではないかと思います。594Aと違って、使い方によっては、それほど大きな部屋でなくとも鳴らすことができると思います。このオールホーンのシステムで聴くロックやブレーク系4ビートには、全身が思わず引きずり込まれて動き出すようなノリの良さがあり、アクティブな音の塊が砲弾のようにバンバンと飛んでくるような感があり、ダイレクト・ラジエーション(コーン型などの直接放射式)のスピーカーとは違った、PAの"音を飛ばす"パワーがあります。もちろん鈴木慶江の透明で澄み切ったヴォーカルもたまらなく美しく歌い上げます。装置は空間で位相差によって表現するような録音がされているものがあるので、一応ステレオの構成にしてありますが、定位とかバランスに関しては、第一、第二テーマに譲って、あまり追求しません。(続く..........)


Comments
とっても興味深い連載が始まり、楽しみにしています。いつもながらものすごい情熱ですね。脱帽です。
私にはここまでの情熱と知識とお金がありませんから、HPを拝見し、「上澄み」を頂戴したいと思います。(^_^;)
Posted by: 木原 | May 25, 2006 at 07:22 AM
木原さんコメントありがとうございます。私がいろいろできている背景には、先人の方々の積み上げられた努力があります。私もいろいろやっていけるのも、これらの方々のお陰にほかなりません。よって私も自分なりに試行したことをどんどんと書き込んでいきたいと思います。皆さんのお役にたてれば、そしてお互いの愉しみとお付き合いの輪が広がればこれに勝る喜びはないと思います。情報の交換によって思わぬ回り道を避けることができたり、袋小路に迷いこむことが減るのではないかと思います。まあそのぶん、もっと深くはまり込んだりしたりして。(笑)
Posted by: さいほう | May 26, 2006 at 10:19 AM