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December 30, 2006

オーディオのプロとマニア

オーディオで飯と食っているプロと命をかけているマニアの比較をしてみましょう。どちらが道を究められるかと申しますと、やはり命をかけているほうでしょうね。追い込みとそれによる仕上がりというのは、プロであるとかアマチュアであるとかでは決まりません。その人の情熱というか執念というか、性格のようなもので決まってきます。よって腕の良くないプロはたくさんいます。しかしどんなに凄いマニアでも予算と時間を設定してその中でプロと競ったらプロに勝てるものではありません。というのは、プロは、それで稼いで飯を食っているわけですから、リーズナブルな料金で(一定のコストと時間内で)お客を満足させるものを仕上げます。どんな凄いマニアでも時間とコストの制約のもとでは、プロ並みのパフォーマンスをあげることは至難です。時間とかコストを度外視した場合には凄いマニアはプロ以上のものを作れる可能性は十分にあります。本職のプロが自分の道楽のためにこれをやるとこれはとんでもないものができてしまいます。ただし、プロがそれをやってしまったとたん、プロではなくなってしまいます。私の周囲にもたいへんな人を散見しますが、みなさんしっかりと歯止めをかけて精進していらっしゃいます。プロの技というのは、それでも、すごいものです。音を自在に調合してバランスさせてしまいます。普通のオーディオマニアは手玉にとられてしまいますね。マニアは自分の好みの音しか頭にありませんが、プロはいろいろなマニアの好みの音を何通りも知っています。そしてこの人は、音のどこを聴いているのかを判別して、その傾向に沿ってチューニングをしてしまいます。たとえばリスナーがリズムを中心に聴いている人ならばリズムをうまく表現する方向に調整します。またハーモニーを聴いている人、音の分解能を聴いている人、微妙なグラデーィションを聴いている人、定位を聴いている人、のびのびとした音を好む人、制動の利いた音が好きな人、生の音楽をリファレンスにする場合でもステージの上にあがった状態を好む人もあれば、最前列中央の人、はたまたホール中央少し後よりの位置を好む人などまちまちです。そしてそれぞれにチューニングの方法が違いますし、装置自体どれをリファレンスにしてバランスをとっているかで音の傾向が変わってきます。自分の好みの音をしっかりとつかんだら、他の人が”いい”という音を聴いてみるととても面白いものです。最初はなぜそれがいいか見当がつきませんが、しばらく聴いて考えて探してみると、思わずなるほどというものがあります。そこに新しい楽しみが広がり、その人への理解と共感が生まれます。今までの自分の音に新しいよさと楽しみ方をとり入れることができます。多くマニアというのは、実は自分の好みの音しか聴いていないのかも知れませんね。そして自分の好みに合った音を指して、”これは、いい音だ”と言っているのかも知れません。オーディオ・メーカー自体もトーン・ポリシーがあります。そのポリシーをしっかりと聴きわけると、製品の向こうにそれを作った人が見えてきて、こうなるとまたとても面白いものです。

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