制動の効いた音
現代のスピーカーとアンプのコンビネーションは,ほとんどがこのカテゴリーに区分できます.ですから私が勝手にこのような名前をつけてもほとんどの方はピンとこないと思います.この音は”一般的な”いい音の中核を成すものです.私のテーマとはどちらかというと逆の方向の音になりますが,この音はこれでとても楽しめるものです.スピーカーは,ダイレクト・ラジエーションで低能率ですが周波数特性が広くネットワークでインピーダンス補正をしてうまくチューニングしてあるものを使用します.アンプのほうはNFBを十分にかけて周波数特性,歪率が良好で,高性能,大出力で,高いダンピング・ファクターで,スピーカーを制動して完全管理下において強引に駆動しよういう音で,中音域にはタメを目一杯に出します.音は重くず太感があり音の枠組みが太くしっかりとした,これでどうだとばかりに聞かせる音になります.
これに対峙する音には,柔らかく自然で自由奔放な音があります.軽いコーン紙の高能率のスピーカーを大きな密閉箱や平面バッフルにとりつけ,ネットワークはないかまたは2ウェイで高音のみをキャパシタ一発でカットします.アンプは小出力でも最低限の性能を無帰還で実現したものを使用します.ダンピング・ファクターは大きくありません.音は速く軽く,自由で自然で奔放で何時間聴いても疲れない,表現のしようによっては芯が弱い脳天気な音と言えるかもしれませんが,音の階調が非常にこまかく一音一音の色の違いも自然に表現するというものです.制動の効いた音というのは,元気で力持ちの男性的な音と云えるかもしれません.その意味では制動の効いた音のほうは,お店などで試聴したときにわかりやすい音に属するでしょうね.この音が好きで,制動を聞いてそれをシステムの評価基準にしている人もいます.


Comments
自己レスコメントですが,この制動の効いたを聴いている人は,当然マルチ・チャンネル・システム派です.立ち上がりの過渡特性はともかく,信号が停止したあとに残るコーン紙の減衰振動を電磁制動でたちどころに止めようということになります.どんどん過激になっていくとMFBとか定電流アンプに進んでいきますね.たいがいコーン紙は重たいまんまです.
Posted by: さいほう | January 10, 2007 at 04:27 PM